警察署再編整備計画(案)

平成16年8月30日

佐賀県警察本部警務部警務課

 「警察署再編整備計画(案)」に関するパブリック・コメント手続の実施結果

佐賀県警察では、「警察署再編整備計画(案)」を策定し、佐賀県県民意見提出手続き(パブリック・コメント手続)に関する要綱に基づき、県民の皆様からのご意見等を募集しましたところ、16件のご意見やご要望が寄せられました。
お寄せいただいたご意見等やこれに対する県警察の考え方を下記のとおり公表します。
今後、お寄せいただきましたご意見等を踏まえ、具体的な「警察署再編整備計画」を策定しますとともに実施に移して参りたいと考えております。

 

1.募集期間

平成16年6月12日(土)~7月25日(日)

2.募集方法

県警ホームページ、県警情報公開センター(コーナー)、県政情報コーナー等での閲覧、記者発表

3.意見提出件数

16件(個人14、団体2)

4.提出方法

郵送

2

FAX 5
Eメール 6
本部・警察署に持参 3
16

5.地域別

県内

16

県外  0
16

6.内容別 

内容別 件数
再編整備計画の推進に関するもの 5件
警察署の存続要望に関するもの 4件
再編整備計画に反対するもの 1件
個別要望に関するもの 6件

7.意見、県警の考え方

ご意見の要旨 ご意見に対する県警の考え方
1
  • 警察署の再編整備計画は警察の機動性を生かし、人員削減にもなるから賛成である。
    事務を簡素化する等、業務の合理化により街頭活動を強化し県民のための警察を確立して欲しい。
  • 再編整備によって捻出した人員は、事件・事故等の捜査部門に再配置するなど、警察署の体制強化を図っていきます。
  • 県警察では、今後とも更なる合理化に努めて、街頭活動の強化を図るなど、治安の維持に努めていきます。
2
  • 警察署の再編整備は社会情勢に対応するための前進的な対策であり、期待している。計画の実施に当たっては、市町村合併の問題と住民感情に十分配慮してもらいたい。
  • 市町村合併については、その動向も十分に見据えながら、管轄区域を見直すなど柔軟に対応していくこととしています。
  • 警察署が統合される地域については、幹部交番を設置し、パトカーによるパトロールの強化のほか、一部許認可事務を継続するなど、地域住民の方々の不安解消や利便性の確保について、特に配慮していきたいと考えています。
    また、幹部交番では、地域住民の方々と協働した地域安全活動を一層推進するなど、地域との結びつきにも十分配慮していきたいと考えています。
3
  • 地域の治安維持は地域住民にとって大きな願いである。
    警察署の再編整備により、更なる治安維持が図られるものであれば賛成したい。
  • 警察署の再編整備は、県下全体の警察力の充実強化を図ることを最大の目的として行うものです。
    その効果として、「捜査体制及び夜間体制の強化」、「空き交番等の減少」、「警察署間の業務負担の平準化」等が図られます。
  • 警察署の再編整備に当たっては、地域住民の方々が安全で安心して暮らせる地域社会づくりに配意していきます。
4
  • 警察署再編計画には賛成である。小規模署を大規模署に統合すれば、業務の平準化が図られるとともに、休日・夜間の初動体制が確立され、更には多様化する犯罪情勢にも対応可能となり、こうした再編整備は早急に必要と思う。
5
  • これまであった警察署が無くなるのは地元住民にとっては不安であり、今後、このような地域住民の不安を解消して理解を得るとともに、様々な問題を克服して計画を実行してもらいたい。
  • 警察署の再編整備は、県下全体の警察力の充実強化のために行うものですが、警察署が統合される地域の方々に不安感があることは十分理解できます。
  • こうした住民の方々の不安感を解消するため、統合される地域には、本県では例のない警部を所長とする幹部交番を設置して、例えば免許の更新事務の継続等、従来の警察署に準じた機能を存続させながら、パトカーによるパトロールの強化や事件事故発生時の初動体制を強化するなど、地域の安全と安心の確保に努めていくこととしております。
    また、機会あるごとに警察署の再編整備計画についての広報を行い、地域住民の方々のご理解を得ていきたいと考えています。
6
  • 予算削減のための再編整備には反対である。
    地域住民を守ってくれる警察署が近くにないと犯罪が起きやすくなってしまうのではないかと住民にとっては不安である。
  • 警察署の再編整備は、県警察の限られた人員を効率的に運用して、県下全体の警察力を強化するために行うものであり、予算を削減するために行うものではないことをご理解ください。
  • 警察署が統合される地域には、幹部交番を設置し、パトカーによるパトロールを強化して犯罪の抑止対策に努めるほか、事件事故への迅速な対応を行うなど、当該地域の治安が空白化しないよう配慮していきます。
7
  • 多久警察署が小城警察署に統合されれば、車庫証明申請などの手続が不便になることから、市町村合併に合わせた警察署の再編を考えてもらいたい。
  • 幹部交番では、従来警察署が行っている運転免許証の更新事務や、ご意見にもあります自動車保管場所の申請事務等を継続するなど、地域住民の方々の利便性の確保にも配慮していきます。
8
  • 警察署再編整備計画で多久市民の暮らしの治安と安全・安心の確保ができるのかと危惧している。
    多久市は県の中央部に位置し、高速インターを備えた交通の要衝でもあり、多久警察署は治安上、重要な役割を担っている。これが統合されて幹部交番になれば、犯罪の抑止力が低下し、犯罪が増加するおそれがある。
    多久警察署を今後も存続して、安全・安心の中核機関としての役割が担えるよう再検討を願いたい。
  • 多久市をはじめ警察署が統合される地域の方々の不安や心配は十分理解しております。
    しかしながら、今回の警察署の再編整備計画は、県下全域の治安維持という責任を果たすため避けては通れない道であり、現在の厳しい治安情勢下にあって、最も適切な警察署規模や管轄区域の在り方等について検討に検討を重ねてきた結果、警察署の再編整備が必要であるとの結論に達したものです。
  • 多久警察署が幹部交番となれば、犯罪の抑止力が低下し、犯罪が増加するおそれがあるとのご指摘ですが、現在、多久警察署は小規模な体制で、事件事故が発生すれば、交番、駐在所勤務員を捜査や留置業務に従事させており、必然的に交番・駐在所が空き交番等となり、また、重大事案発生時における捜査体制や当直体制が弱いことから、事案処理には担当係を呼び出して処理するなど迅速な対応が困難な状況にあります。
    しかしながら、警察署の再編整備により小城警察署と多久警察署が一体化することにより、より大きな警察署が多久市を受け持つこととなり、また、新たに幹部交番を設置することで、事件事故の発生に対して、
    • 幹部交番に常時配置しているパトカーにより現場への早期臨場ができる
    • 多久市と近距離にある小城警察署からの現場臨場ができ、特に休日、夜間のような体制が弱い場合でも、無線や電話一本で従来よりも多くの警察官の現場臨場が可能となる
    • 場合によっては、複数のパトカーが多久市内を警らすることもあるなど、犯罪の抑止力をより向上させることができます。
  • さらに、交番・駐在所は、基本的にはそのまま存続させることとしており、多久市民の方々の不安解消には配慮していきたいと考えています。 警察署の再編整備計画は、こうした厳しい治安情勢に的確に対応し、県下全体の警察力の強化を図ることを目的に実施するものであることをご理解願います。
9
  • 日常生活の中で犯罪も多様化、広域化しているのに、多久警察署が小城警察署に統合されることは、多久市民にとって大変不安である。
    これまでどおり安全で安心な暮らしができるよう多久警察署の存続を願いたい。
10
  • 嬉野町は、温泉観光地として特殊要因が存在し、長崎県との県境に位置しながら、これまで比較的安定した治安が保たれている。
    嬉野警察署を含む警察署の再編整備で治安維持体制が図られるとは考えにくく、計画の再考をお願いせざるを得ない。
    また、警察署再編計画で嬉野警察署は、武雄警察署に統合され、幹部交番が設置されるとのことであるが、現在の治安状況の維持向上と住民サービスを低下させないように強く要望するとともに、関係機関、地域住民の意見等を考慮していただきたい。
  • 警察署の再編整備の趣旨は、前述8・9のとおりです。
    嬉野町については、温泉観光地、長崎県との県境に接する地理的条件があることは十分認識しているところであり、再編整備により強化される警察力により、県境における犯罪や事故の抑止及び事案発生時における迅速な捜査や検挙活動を図ることができます。
  • また、幹部交番には、例えば免許の更新事務の継続など、警察署に準じた機能を存続させ、パトカーによるパトロールを強化するほか、事件事故への初動的対応を行うなど、ご指摘のとおり当該地域の安全・安心及び利便性の確保については、特に配慮していくとともに、関係機関、地域住民の方々の意見も十分に参考としていきたいと考えています。
11
  • 最近の犯罪は低年齢化、凶悪化しており、警察にはそうした犯罪に対する対応の強化が望まれるところである。
    江北町は交通の要衝であり、今後、町の発展が見込まれ、犯罪も増加することが考えられることから、大町警察署を統合するのではなく、肥前山口駅前の交番を含め体制を強化し、治安の確保をお願いしたい。
  • 警察署の再編整備は、近年の厳しい治安情勢に的確に対応できるよう、県下全体の警察力を強化し、県民生活の安全と安心を確保するために実施するものです。
    その効果としては、県下全体において「空き交番等の解消」や「捜査体制及び夜間体制の強化」等が期待できます。
  • ご意見の肥前山口駅前の交番(現・江北交番)や江北町内の駐在所についても、大町署が統合されることにより、本署勤務員が増強され、その分、交番や駐在所勤務員が本署勤務をする必要がなくなることから、空き交番、空き駐在所の減少が図られ、より地域に密着した活動ができるようになり、地域社会の安全と安心の確保に努めることが可能となります。
12
  • 治安が悪化している今日、警察署が統合されて数が減ることには不安を感じる。
    警察署が統合される地域には、幹部交番が設置されるということだが、どのような形になるのか、幹部交番の具体的な説明がほしい。
  • 幹部交番は、統合される警察署施設を活用して新たに設置する交番で、例えば、免許の更新事務の継続等、従来の警察署に準じた機能を存続させることとしており、体制については、県内では例を見ない警部の階級にある警察官を交番所長に配置するほか、受持ち勤務員、パトカー勤務員など10人以上の配置を考えています。
  • 幹部交番の業務は、
    • パトカーを常時配置して、事件・事故発生時にいち早く現場に駆けつけたり、防犯のためのパトロール活動を強化する
    • 現行の交番が行っている受け持ち地域への巡回、パトロール活動を強化する
    • 各種届出、相談等の業務のほか、一部の許認可事務を持たせる
    • 地域住民との連携を強化する

などにより、治安の空白をなくすほか、住民の方々の利便性の確保や地域との結び付きをなくさないよう、住民の方々と協働した地域安全活動をより一層推進していくこととしています。

13
  • 警察署の再編整備計画は結構であるが、警察署がなくなるのは大変不安である。
    事件事故等の相談窓口は残してもらいたい。事務処理だけではなく、相談に対し、適切なアドバイスができる方を置いてもらいたい。
  • 幹部交番には、一部許認可事務や事件・事故等の相談業務を含めて、警察署に準じた機能を存続させることとしており、地域住民の方々からの相談等に対しても、従来どおり適切にアドバイスができる職員で対応していくこととしています。
14
  • 警察署が統合されても、幹部交番では免許交付事務を取り扱ってほしい。
  • 幹部交番では、現在、交番で行っている各種届出、相談業務等を行うほか、ご意見にもあります運転免許証の更新手続きなど実施可能な許認可事務についても、地域住民の方々の利便性の確保の観点から実施していきます。
15
  • 警察署の管轄区域については、川や橋、峠などの地理的な条件で区分すれば、犯罪発生時の検問などで周辺の警察署と連携しやすく、捜査上も効率的ではないか。
  • 警察署の管轄区域については、警察の業務が自治体の業務と密接に関連していることから、自治体の行政区域を十分配意した管轄区域の設定が必要になります。
  • ご意見の川や橋、峠などの地理的な条件については、捜査活動上、重要なポイントであり、隣接する警察署間に間隙を生じさせることのないよう、その連携強化には十分配意していきます。
16
  • 警察官が各地区に住み、家族付き合いの中で相談等ができる交番制度になれば、犯罪等が未然に防止できるのではないか。
  • 再編整備計画では、地域社会の拠り所である交番・駐在所は基本的にはそのまま存続します。
  • 犯罪の抑止のためには、地域と警察が連携していくことが必要でありますから、より一層地域との関係を深め、地域と一体となって安全と安心の確保に努めていきます。

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